1日目 @  A B


いよいよ下部温泉に到着。



いやあ。

時間どおりに到着するのって素晴らしいよね。

たぶん車で来てたらあっちこっち寄り道して写真撮って行ったり来たりして川原で石拾ったりして、

ここに着くのは夕方になってたことだろうと思う。



俺を入れて二組しか乗客がいなかったのにその二組とも降りたことで無人になった電車を見送って



今回は、この下部温泉と門西家の両方に行きたいと思います。


いかにもエロゲに出てきそうないいあんばいの田舎の駅です。



こんなかんじで。



ごめん手頃な画像がなかったよ

本当はもっとこう、純朴な感じのおさげの女子高生とかそういうイメージね


駅前。









いっぱい旅館あるみたいだろ・・・

やってるの3、4軒しかないんだぜ、嘘みたいだろ・・・



他に選択肢がないので、駅前の食堂で飯を食う。

やまめそばを頼んだんだけど、どうってことのない蕎麦の上にヤマメの甘露煮が一個のってて、

メニューには950円って書いてあったけど1000円とられた。





それから隣の郵便局へ行き、記念スタンプをもらう。





もらうと言っても切手を買わないと押してもらえないよ。消印だからね。


食事も終わり、いよいよ今日のメインイベントの一つ、黄金博物館での砂金採りだ。



向かうのは、甲斐黄金村湯之奥金山博物館

そのためにはこの吊り橋を渡らなければいけないのだが


なにかウザいシステムが装備された吊り橋だ。



渡るとセンサーかなんかで感知して、青白い照明がついたり、音楽が流れたりする。

低俗で悪趣味なことこの上ないわw

国民保険温泉地整備事業wwwwwwwwwwwwwwwwww

環境庁と山梨県民の納税者乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


渡りきったとこには旬の紫陽花が。

これは悪くないね。




 これがその金山博物館です。



割と新しく作られた博物館の類、特に専門性が高ければ高いほど、

実によくできていることが多くて、マニアックなテーマをこれでもかとCGとか駆使して

すごいわかりやすく、かつディープに語りつくしているところが多い。

当たりが多いのである。



が、結論から言うと、ここはかなり残念な感じだった。

館内は撮影禁止だったのでここから館内画像はすべて拾いものだ。



まず入ると最初に、強制的にばかでかいシアターに通される。

210インチの巨大スクリーンに全85席。ちょっとしたミニシアターより豪華だw。



もちろん今日は客は俺一人なので、シアターの電源が切ってあった。

それで学芸員のお姉様がやってきて電気をつける。


シアターの内容は実に薄っぺらい。

イメージビデオ。

甲州金が世界に広がる!みたいな中学生の妄想みたいなレベル。

オナニーシーンすらない宇宙企画のアイドルものぐらいのレベル。

これが12分間あるわけだが、

どうしたことか、残り5分ぐらいのところでもう一人、客が入ってきた。

こんなものを途中から見させられて気の毒としか言いようがないが、

彼の苦難はこの後もっと酷いことになるのである。


 酷いムービーを見させられてシアターを出ると、長い通路を歩いた先には

ミニチュアがある。



で、この前にスイッチがあって、これを押すとまた7分ほどのドラマムービーが始まるのである。



一応、甲州金の歴史とか、金鉱石を掘り出してから灰吹法で純金を取り出すまでを

ビデオでやるのだが、しょっぼいドラマ仕立てになってて、

金堀り職人のなんとかって奴が、女郎のなんとかって女に色目を使うとかそんなストーリー。

肝心の採掘や灰吹の場面は3コマぐらいのgif。

具体的な技術的な説明は一切なく、「すごく苦労して金を取り出します」みたいな抽象的な説明だけ。



これをまたぼけーっと見る羽目になるのだが、

俺の後から遅れてきたもう一人の彼は、またこれを途中から見る羽目になる。

俺が見終わった後、彼はもう一回見なければならないのだ。

かわいそうすぎる。



 なんとかこれを見終わって次の部屋に進むと、

またまたビデオ。



今度は金の精錬の過程をビデオで追うのだが、

灰吹して鉛や金の真っ黒い合金が一瞬で金の塊に化ける様子はとてもドラマチックで、

是非一回見てみると必ず「ほーっ」っと思うはずなのだが、

そういう肝心な場面はない。

絵のフリップで説明。灰吹きの動画を見たことなければ絶対に意味がわからないと思うので、

親切な俺が金山博物館に代わって灰吹の動画を貼ってあげる。



って思ったけどようつべには無かったわ

英語ではCupellationって言うから探してみて

どこで動画見たのか覚えてないけど、少なくとも石見銀山では間違いなく見たと思う。

全くうまく説明できないんだけど、

こういう、水銀とか金とか卑金属の混合物を、灰の上で赤熱させる。



徹底的に熱くなったとこで、ふーーーーーーッと息を吹きかけて酸素を送る。

すると、鉛とか鉄とか、卑金属だけは酸化しやすいので一気に酸化して、

比重と表面張力の関係で瞬間的に下の灰に吸い込まれ、



純粋な金が灰の中に突然現れるのだ。



醜い金属の塊が燃えさかる炎と灰の中から、輝かしい黄金となって再生してくる様子は劇的で、

何度も繰り返し旧約聖書の中に、汚れた魂が神の導きによって純化される比喩として灰吹法が登場する。



が、この金山博物館ではその動画は見れません。

冶金の一番の見どころなのにねえ



この金山博物館が主張するには、

 「日本における灰吹法の起源は石見銀山であるというのが定説だが、

 実はそれよりも前に甲斐の金山の職人はそれをやっていて、

 それを石見に伝えたのは甲斐の金山職人ニダ」

みたいなことを訴えている。


証拠はない。「そのはずだ」みたいなレベル。




で、この一連の金の精錬の過程は4段階のビデオに分かれていて

一編が5分ほどあるわけだが、モニターは一つ。

つまり、おれが@から見始めると、

次に来たやつは20分待たないと@から見ることができない

というわけだ。



ほんと、この博物館の展示作ったやつの頭の悪さはすごいとしか言いようがない。

このほか、色々なものが無駄に再現されているのだが全くつまらん。





おそらく異常な熱意と時間と費用をかけて作られたと思われる、

付近の3Dモデル。

一枚一枚等高線に合わせて切ってはり重ねてあるやつ。



だが、ただ地形を再現しただけで何も解説がないので、

単に位置関係を示す以上の何も示唆していない。






いろいろな遺物もあるにはあるのだが、

解説が全然しょぼくて全く見る価値がない。

ただ並べてあるだけってレベル。





そりゃ客も退屈するわ




一番の見どころは、戦国時代の古甲州金と江戸時代以降の甲州金の実物コレクション展示。

ほぼコンプリートされているというからすごいのだが、



実はこれは全部、篤志家のコレクションの寄託。

要するに借り物。

他人の土俵でふんどしとってるレベル。



以上、この博物館の総工費12億。

まあ、はっきり言ってバカ安だね。

よその県に行けば40億とか60億とか平気で突っ込むだろうから、

まあ税金の無駄遣いの中ではささやかな部類かな。



でもまあ、はっきり言って、博物館の展示よりも、

公式HPの展示概要の方が充実していてわかりやすい。

このページで使われてる画像素材、そのまんま展示されてるからw



 それなりに期待してきた分、かなりガッカリした展示だったが、

気を取り直して砂金採りに挑戦だ。

1Fに戻り、学芸員のお姉さまに声をかける。


お姉さまはなかなか凛々しい。

何かに似ていると思ったが、
戦国無双のお濃の方って感じだ。

それなりにぐぐると素顔をさらしているようだが、
一応ここでは匿名かつ別画像にしておいた。







砂金採りは制限時間30分で、場所移動は認められない。

お姉さんが簡単に一回だけ実演してくれるのだが、さっそくお姉さんは2粒ゲットしてた。

すげえ。

砂金採りには5つの鉄掟がある。



この五訓はすべてお姉さんの言葉だそうだ。

「人の話を聞け!」

強烈である。

要するに焦って説明も聞かずに初めて、全然とれない馬鹿ばっか、ということらしい。


  初めての坊やはだいたい8粒が平均よ。

  せいぜいがんばりな!ボウヤ&hearts

みたいなことを言って去るお姉様。



確かに、砂金は予想以上に小さくて、ほとんど見えない。

ねえよwwって思っても砂を捨てて捨てて捨てて捨てて、

最後に残った本当にちょっぴりの砂鉄を全部流し切るとその下にある。

そしてものすごく腰が痛くなる。

俺が一人で腰いてーとかゆってるのを遠くからニヤニヤしながらお姉様が見ていた。


 30分はあっという間で、たぶん掬った回数で言うと3、4回だと思う。

写真ととる暇もなかったわ。

で、戦果だが  10粒  です。

なんとか平均クリア―ね、なかなかやるじゃない、とお姉様に頭をナデナデしてもらったけど、

そのうち2粒は最初にお姉様が試演したときのなんだよね



上の写真だと10粒見えないけど、重なってるのとかあって上手くバラせない。

バラそうとしてうっかり触るとどっか行っちゃうレベル。

せっかくなので、これをストラップに詰めてもらう。



ストラップ代が1000円。

砂金体験が一回500円なので、よく考えるとストラップ代高すぎワロタ

何回も何回も何回も何回も何回もここに足を運んで、

一回500円で砂金集めまくって、

いつかこのストラップがパンパンになるまで溜めこんでね!

ってゆってた。

ちなみに大きさがわかりにくいと思うので、

わかりやすくするために嫁と比べておく。




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